フランスの老舗サルグミンヌ(sarreguemines)社による、番(つがい)の鳥が木の実と戯れる真っ青なプレート。立体的なつくりは”バルボディーヌ”と呼ばれるもの。
綺麗なミントブルーに番の鳥とチェリーの木が描かれたスペシャルなプレート。およそ1880年代のもの。
立体的な表現と鮮やかな色使いのものをフランスでは総称でバルボティーヌと呼びます。
バルボティーヌという言葉は窯やブランド名ではなく泥漿(泥漿とは、鉱物や泥などが混ざっている液状の混合物)を意味するフランス語です。
そのルーツは16世紀まで遡り、ベルナール・パリッシーによる「田園風土器」が起源とされています。
これらの陶器は、時の王妃カトリーヌ・ド・メディシスなどの庇護のもとに生産され、貴族などの富裕層の間で珍重されました。
パリッシーの陶器は、ルーブル美術館にも展示されております。
【Sarreguemines(サルグミンヌ)社】
サルグミンヌはでドイツとの国境に隣接する町サルグミンヌで1784年に創業された陶磁器メーカー。
その品質の素晴らしさからナポレオンも愛したといわれ、大きな会社へと急成長を遂げるも戦争を経て、サルグミンヌがフランス領からドイツ領となったことでサルグミンヌ窯は1879年にフランスのブルゴーニュ地方の小さな町ディゴワンへと窯を移すことになりました。
そこで当時すでに陶器の制作を行っていたDigoin(ディゴワン)と合併、その後は100年以上ディゴワン&サルグミンヌとして陶器の生産を続けていましたが2007年に廃業しています。
typeAとtypeBの販売。
オリエンタルな雰囲気が漂う絵皿です。
typeB。たわわに実ったチェリーを見つめる番の鳥たち。
Bは大きめのヒビがあります。
【19世紀末~食器やインテリアとしてのBarbotine(バルボティーヌ)ブーム】
アールヌーボー(Art Nouveau 1890-1910年頃)の頃以降、特にフランスでは経済的に大変豊かな(産業革命や植民地支配による)時代が続いておりました。
特にフランスの1900年前後はベルエポック(良き時代)と言われ、「退廃的」とか「享楽」とか後の時代に表現されるほど人々は我が人生を謳歌していたのです。
そのような時代背景もあって、鮮やかな色彩で、凸凹、装飾過多なバルボティーヌが大変流行りました。
立体的な造形が素敵です。
裏面。Bには遊び心からなのかハートの刻印があります。
パリの食器といえば、白磁またはそれに金彩を施したものなど色数の少ないくシンプルなものが主流です。 フランスの骨董屋さんは、パルボティーヌを『田舎のもの』という言い方をするそうですが、 これは当時の富裕層が、都心から離れた別荘での田舎暮らしを彩るアイテムとしてバルボティーヌを使っていたことによります。色の調和をとても重要視するフランス人らしい、使い分け方ですね。
サイズ | φ20.5 h2cm |
材 質 | 陶器・フランス・1880年代 |
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