アンティーク本・古い洋書
古い洋書は表紙の装丁が凝ったものが多く、デスクや家具にさりげなく置くだけで雰囲気がでるヨーロッパのアンティーク本はマルトがイギリスやフランスで集めてきたもの。英語やラテン語、フランス語が印刷されたものから、イラストが入ったものなど、バリエーションも豊かで古いものは1700年代から1900年代まで取り扱っており、北欧のアンティークブックも販売しています。
【伝統的な製本技術ルリユール】
フランスの伝統的な製本技術・ルリユール
ルリユール【フランス語: Relieur】 - ルリユールとは、もう一度〜する/〜し直すを意味する「re-」と、(糸で)綴じるの「lieur」を組み合わせたフランス語で、工芸製本とも呼ばれる。また、主にフランスで製本・装幀を手作業で行う職人を指す言葉である。
MALTOにもたくさんある古書たち。手に取るたび、芸術的な装丁にいつも感心させられていました。
たったひとつの本でも、表紙の素材からこだわり、装飾が箔押しで施され、見返しまで美しいペーパーで仕上げてあります。
それもそのはず、読書は上流階級の特権だった・・?!
美しいその装丁はいかに文化としてつくられたのか、ルリユールの歴史を紐解いていきます。
17、18世紀のルリユール
ルリユールによって製本された書物は社会的身分のある特権階級の貴族や聖職者、富裕層を中心に需要がありました。
ルリユールの始まりは聖書からと言われています。
中世ヨーロッパではラテン語の聖書が一般的で、聖書以外の貴重な本も、ラテン語で書かれたものが多いです。
そして、ラテン語を読めるのは聖職者や知識階級、上流階級など一部の層に限られていたため、読書は特権階級だけに許された特別な行為でした。
17世紀後半、王権統制によって印刷業者・書籍商・製本職人が分かれ、製本職人にのみルリユールの特権が与えられる形となりました。
世界に一冊だけの素敵な装丁を皆、職人に依頼しました。
本が一般に流通するようになってからも、本は仮綴じで簡単な表紙しかない状態で販売されていたので、ヨーロッパの特権階級の人々はルリユール職人に依頼して、好みの装丁に仕立てる習慣が根付きました。
ルリユールの様々な技法
【表紙】
フェールといわれる木製の柄に刻印をさしたものを使用します。コテの一種です。始めは背表紙などにタイトルを刻む際に使われた活字フェールが発展し、様々な模様を本の表紙に刻む事が出来るようになりました。
刻印の組み方やコテの動き、模様によって多彩な表現を可能にし、表現技法として定着しました。
裁断して切り揃えられた小口(天のみ、もしくは小口すべて)にも装飾を施していました。
小口は遊び心の溢れた装飾や細工が多数ありますが、最も好まれたのがドリュールといわれる、金箔を用いた技法です。日本では小口金箔といわれます。
見た目の絢爛さだけではなく、ページをめくる際に手指を傷つけないためや、ホコリからの保護の役割も果たしています。
時代や国によっては、混合率など質の良し悪しの違いがあったといわれています。
18世紀には色とりどり、様々な模様紙が流行しました。マーブル紙、糊染や木版による模様紙などがその代表です。
その多くは見返し部分に使用され、中には書物の内容と関連性のあるデザインが使われるなど、製本による美術的な表現の一つとして重要になりました。
その中でもマーブル紙は専門のギルドがあり、マーブリング技法は門外不出の方法として固く秘密にされていました。どんなに熟練した職人でも全く同じ文様は作りだせない一点物です。
【MALTOのアンティークブックについて】
マルトで取り扱うヨーロッパのアンティークブックは、100年以上昔、古いもので250年も前に装丁されえた古い洋書は貴重な書物でもありますが、無造作に並べるだけでも趣きがあり、絵になるので素敵なアンティークインテリアを楽しめます。
表紙に革を使ったものや、全て紙製のものなど装丁もいろいろ。比較的年代の若いヴィンテージブックも販売しています。
店舗ディスプレイや撮影l小物、アンティークコレクションにもおすすめです。ちょっぴり勿体ないけど1ページ裂いて蝋引きを楽しんだり、特別なラッピングペーパー、壁にピン留めしたり、フォトフレームなどに額装しても素敵です。
【アンティーク本のおすすめディスプレイ方法】
アンティークブックをディスプレイする方法は、さまざまありますが、いくつかのおすすめのディスプレイ方法を紹介します。
1.シンプルに本棚に並べる
アンティークブックを美しく製本された背表紙のデザインを楽しむために、本棚に並べるのがごく一般的なディスプレイ方法です。本のジャンルや色などでグループ化し、見た目のバランスを考慮しながら並べると、美しいディスプレイになります。この並びは少し飽きたなと思えば、本の場所入れ替えることで新鮮な空間になります。
2.スタックする
本を積み上げてディスプレイする方法もおすすめです。スタックすることで、本の高さや大きさなどの変化を楽しむことができます。また、スタックした本に花瓶や小物を添えるなど、アクセントを加えることで、より美しいディスプレイになります。
3.テーブルに並べる
アンティークブックをテーブルに並べることで、読み物として楽しむことができます。特に、古い書物には独特の雰囲気があり、その歴史的価値をダイレクトに感じることができます。
4.壁に飾る
アンティークブックを立体額に入れて、壁に飾るのもおすすめです。背表紙を見せるデザインや、見開きのページを額縁に入れるなど、自分なりのアレンジを加えることで、美しく遊び心のあるウォールアートになります。
これらのディスプレイ方法を組み合わせて、自分なりのアレンジを楽しみましょう。アンティークブックは、美しく製本されたデザインや、貴重な歴史的価値があることから、ディスプレイするだけでなく、貴重コレクションとしても楽しむことができます。
【イギリスやフランスのアンティーク本の歴史や魅力】
イギリスにおけるアンティークブックの歴史ですが、イギリスは古くから書物を大切にしており、古書店やオークションなどには多くのアンティークブックが流通しています。
また、イギリスには多くの有名な出版社があり、特に18世紀から19世紀にかけては、出版業界が盛んになり、美しい製本や版画、イラストなどが特徴的なアンティークブックが多く制作されました。
こうしたアンティークブックは、その美しさや歴史的な価値から、多くの愛好家から愛されています。
一方、フランスにおけるアンティークブックの歴史は、イギリスに比べるとやや新しいものですが、18世紀には既に多くの書物が制作され、多くの愛好家によって集められるようになっていました。
また、フランスには美術、文学、哲学などの分野で多くの偉大な作品が生み出されたため、それらを記したアンティークブックが多く制作されています。
フランスのアンティークブックには、その美しい製本や挿絵だけでなく、歴史的な価値や独自の美意識が反映されており、それが愛好家からの支持を得ています。
どちらの国でも、アンティークブックは美しさや歴史的な価値だけでなく、その内容やテーマによっても魅力的なものとなっています。
また、アンティークブックは単なるコレクションとしてだけでなく、その内容やテーマから、歴史的な知識や文化的背景を学ぶことができる貴重な資料としても利用されています。