アンティーク皿・陶器食器
中世の時代から私たちの祖母の時代にいたるまでに、テーブルの装い方は時代により日々進化してきました。 イギリスやフランスのアンティークのお皿は、その時代の美意識を反映した美しいデザインが特徴です。 花柄や装飾など、多様なデザインの中から、自分だけの特別な一枚を見つけてみませんか。使い込まれた風合いもまた、アンティークならではの魅力です。
【アンティークテーブルウエアについて】
イギリスとフランスはともに多くの美しい陶器製テーブルウエアを生み出してきました。
以下は、それぞれの国の代表的な陶器製テーブルウェアの歴史と魅力について紹介します。
イギリスの陶器製テーブルウェア
イギリスは、18世紀から19世紀にかけて「ボーンチャイナ」と呼ばれる非常に高品質な陶磁器を生産しました。ボーンチャイナ(Bone china)とは、”骨灰磁器”とも称される磁器の種類のひとつです。
18世紀頃にロンドンで発明されました。「ボーン=骨」「チャイナ=磁器」という意味で、原料に牛の骨を焼いた骨灰が30-60%含まれています。
「ボーンチャイナ」という名前が付いていますが、中国製を意味しているわけではありません。
「チャイナ=磁器」という意味で広く使われており、そもそもは中国で生まれた技術であることから、”チャイナ”と呼ばれるようになりました。
ボーンチャイナは、軽量でありながら、非常に強く、白色で光沢があります。ティーカップやソーサー、プレートなどのテーブルウェアとして使用され、その美しさと品質の高さから、多くの人々に愛されました。
フランスの陶器製テーブルウェア
フランスは18世紀から19世紀にかけて「ファイアンスフィーヌ」と呼ばれる淡黄色の土の上に白い錫釉をかけ完成させる焼き物が主流でした。
ファイアンスフィーヌは1700年代のフランスで中上流階級の人々が主に使用していたもので、「純銀」や「磁器」は限られた貴族のみが所有できる高級品でした。
そんなフランスに1700年代半ば、当時ウェッジウッドを筆頭に陶器製造の最先端国だった英国の陶磁器メーカーが流入し、貴族、そして当時台頭してきていた市民階級(ブルジョワジー)たちは夢中になりました。
ですが王室によりその製造技法は特定の窯のみの特権とされ、また国内で採取できる陶土の違いもあり、英国式陶器をフランス各地で作陶することは困難でした。経営者や陶工たちはそうした環境化、1789年以降のフランス革命という激動をも乗り越え、伝統的なファイアンスと英国クリームウェアの狭間での技術開発を続け、人々の心を満たす、フランスならではの美しい陶器を作り出しました。
きめ細やかで品のある陶肌と、指で弾いた時の耳心地良い響き。 白、あるいは象牙色を素地にして、ごく薄い透明釉を施し低温焼成した繊細で軽やかな上質陶器の誕生です。
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目指したのは家庭で日常的に使えるテーブルウエア
コンセプト通り、分厚くて丈夫なホーンジーは確かに日常使いにピッタリの陶磁器でした。 ホーンジーの一番の特徴は、北欧のテキスタイルデザインをイメージさせる幾何学的であたたかいオシャレなデザイン。
もっとも英国的な王室御用達テーブルウエア
1896年、トーマス・ワイルドとトーマス・クラーク・ワイルド親子がイギリス陶業の中心地ストーク・オン・トレントにおいて創業したブランド、「Royal Albert(ロイヤル・アルバート)」。
ブランド名は創業者が英国王室を愛するがゆえに、ヴィクトリア女王の夫アルバート公と女王夫妻の孫
アルバート・ジョージ王子(のちのジョージ5世)にちなんで「アルバート」と名付けられました。