アンティークショップ直伝!手軽できるコーディネート術
アンティーク・ヴィンテージの雰囲気溢れる、魅力的なお部屋を、より簡単に、お手軽に作るコーディネートのポイントをいくつかご紹介。
1600年代初頭ジェームズ1世の時代(1603~1625年)からチャールズ1世(1625年~1649年)、共和制(1650~1659年)を経て、チャールズ2世(1660年~1685年)の時代に発展したデザイン様式。
先代のエリザベス1世(1558年~1603年)が亡くなり、スコットランド王であったジェームズⅥ世がジェームズ1世として王位を継承します。ジェームズ1世はイングランドとスコットランドの王位を初めて一身に兼ねた君主として、各国との協調政策に尽力し「平和王」とも呼ばれています。
ジェームズ1世は文化や芸術の分野には関心がなかったため携わらず、当時の建築家や職人たち、後のチャールズ1世、チャールズ2世の時代にイタリアやフランスなどバロック様式やオランダ、シノワズリなど大陸側の影響を受け、ジャコビアン様式として発展していったと言われています。
1660年王政復古後の後期のジャコビアン様式は別名カロリアン様式とも呼ばれていています。マルトで人気のアンティーク家具のひとつ、バーリーツイストのゲートレッグテーブルはこの時代に登場したものになります。
ジャコビアンスタイルの家具は、17世紀を通じて大きく進化していきましたが、初期のジャコビアン様式は直線的で大きく、堅牢な木製のフレームと、ボタニカルレリーフの彫刻、前面または側面にパネルがある重厚感のある装飾のものが中心で、後に装飾的な要素が加わっていきます。美しい象嵌細工や座面や背もたれにファブリックや革張りの椅子が作り始められたのも、この時代と言われています。
家具の製造には木製の杭、日本の宮大工のような、ほぞ継ぎが使われ、イギリス国内で調達できたパインやマホガニー、オークが使用されていました。 ボビンターニングレッグが登場したのもこの時代で、後期には彫刻された球状の飾りが付いたバルボスレッグや、ねじり棒や挽き物の細工の装飾が多用されていきます。
ブルボーズレッグとも呼ばれ、16世紀の後半エリザベスⅠ世の時代のイギリスで流行し始めた球根状の装飾。 家具の脚や支柱に用いられたデザインで、カービングが施されたその特徴的な形状からパイナップルレッグ、メロンレッグと呼ばれることも。 ドローリーフテーブルの脚に施されてものが特に象徴的ともいえます。
17世紀に入りジャコビアンの時代になると、全体的に形状が細くなり、花瓶のようなシンプルで上品な形とに進化していきます。 カップボードの柱や椅子の脚など、19世紀以降のリバイバル家具の中にはこの形状のものがよく使われていて、ダイニングチェアなどMALTOが取り扱うイギリスのアンティーク家具にも 多用されています。
一括りにバルボスレッグといっても長い歴史の中で時代によって変化していき、現代でもリバイバルされ、クラシックな家具の装飾として、人々を惹きつけるはとても興味深くおもしろいの一言に尽きます。
旋盤加工どころか電気や機械もない時代に、職人さんの手作業とちょっとした原始的な仕掛けで、木材を回転させて刃物を当てて削り出す、挽き物加工で装飾を施していました。 ポコポコと丸が繋がったボビンレッグ、螺旋状に削り出されたツイストレッグ、キッチンチェアの脚や背もたれに使われるスピンドルレッグも同じ手法で加工されたもので日本ではろくろ脚と呼ばれています。
マルトで販売しているアンティーク家具で猫足ではないテーブルや椅子、スツール、ウォールシェルフの大半がこの挽き物加工の足や柱になっているといっても過言ではないかもしれません。
ゲートレッグテーブルの顔でもあり、代名詞でもあるバーリーツイストもこの時代に生まれました。