1796年創業の英国老舗陶磁器メーカー、メイソンズ。東洋風の花やウィローパターンなど、転写や手描きの技法で知られるメイソンズは、伝統的な図案で世界中のコレクターを魅了し続けています。
こちらのお品はMandalay(マンダレ―)パターンで、1984年から1994年放送の「シャーロックホームズの冒険」シリーズでホームズの部屋に登場し、ヴィクトリア時代の雰囲気を醸し出すデザインで人気を博しました。
優雅で洗練された佇まい。東洋の神秘を感じさせるマンダレーの図案は、見る人を魅了し、食卓を華やかに彩ります。
図柄はプリントとハンドペイントで描かれたシノワズリモチーフ、またIronstone China製となっており硬くて丈夫なのが特徴です。長い間ロングセラーであったMASON'Sのマンダレーシリーズですが、1968年にウェッジウッドの傘下となりました。本商品の裏面にあるMasonのバックスタンプは1920~30年頃に使われていたもの。1923年以降はENGLANDからMADE IN ENGLANDのものと併用されていきます。
MASON'Sのミルクジャグは大きなサイズが主流ですが、こちらは珍しい小さな手のひらサイズ。丸みを帯びた形も可愛らしいです。縁にチップがあるヴィンテージコンディションです。
18世紀のヨーロッパでは高価で壊れやすい中国からの輸入磁器に劣らず美しく、硬くて丈夫ということで日常に使う器として広く使われ、メイソンはイギリスで最も人気の高いブランドとなりました。
17世紀末から18世紀にヨーロッパでは日本や中国趣味の食器が大変流行し多く生産されました。
19世紀後半からは日本の美術工芸品が、西洋の美術、工芸、装飾などの幅広い分野に影響を与えた現象。ジャポニズムが始まりますが それまでは日本と中国の区別がなく、総じてシノワズリー(中国趣味)と呼ばれていたため、 こちらの商品も和の雰囲気を感じつつも、どこかチャイニーズオリエンタルの空気を持ち合わせています。