アンティーク クリスタルグラス/麦穂 イギリス 豊穣を象徴する麦穂の装飾/アンティーク食器

イギリスで買い付けたアンティークのクリスタルグラスです。イギリスでは20世紀に入り工業化が進むまでは、ガラスは貴重な素材でした。アンティークのガラスには細かな装飾や精巧なものが多いのも、ガラス器が豊かさの象徴だったからです。
そんなガラス製品の代表であるグラスは種類も形も装飾の仕方も実に多彩で、ひとつふたつと集めたくなるアイテム。

手作業によりカッティングされたモチーフの装飾も様々で、今回入手したこちらのタイプは豊穣を象徴する麦穂の束がモチーフとなっております。吹きグラス工法によって形作られた螺旋状の足のデザインも珍しくとても美しいと思います。

聖体＝キリストの体＝パン、の原材料である麦はそのまま聖体を表し、麦はキリスト教ではとても重要なモチーフで聖体を象徴する植物であると言われています。麦穂には魔よけのお守りの意味もあり、ヴィクトリア時代に流行したモチーフです。

叩くと透明度の高い音が響き渡るクリスタルグラスです。状態の良い6点の入荷です。






イギリスのマーケットでは実に様々な装飾の古いグラスを目にします。繊細な模様でありながらシンプルなつくりなので手入れもしやすくなっております。サイズは食前酒ほどで小ぶりです。グラスとグラスを合わせたときの音が、高く響き渡り本当に美しい音色をしています。カット装飾も信仰的な意味合いのあるモチーフが施されており、生活に根付いた道具であったことがうかがえます。