About Silverware
銀のような貴金属は、完成したデザインが本来の価値をはるかにしのぐ場合もあるとはいえ、銀という素材に元々備わっている価値も査定の対象です。
危機の際には多くの製品が熔かされ硬貨にされてきました。
マークの入った銀製品は多いですが、価値を上げるために偽造または作り変えられることも多かったため、常に信頼できるとは限りません。
よってマークが真実を示しているか確かめ、マークなしの品をある程度特定する際に役立てる為、マーク以外でも注視する点を学ぶことが重要です。
ティーポットを観察
ヴィクトリアン時代にロココ様式がリヴァイバルしたことにより誕生した、ヴィクトリアンロココ様式。
自然主義的なモチーフと生き生きとした曲線の入り混じった装飾は、18世紀に流行したロココ様式に強い影響を受けながら、この後誕生するアールヌーヴォーの雰囲気も持ち合わせ魅力的なデザイン。エンボス加工、エングレービング、チェイジング等様々な技術を組み合わせて装飾が施されています。
様々な装飾方法
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【エンボス(embrossing)】
ルプッセとも呼ばれる技法で、銀の薄板を裏から叩いて深い凹みを付け、表側に文様を浮きだたせています。 -
【ブライト・カット・エングレーヴィング(bright cut engraving)】
銀器の表面をカットして模様をつける方法で、光を反射するファセットを作るため、斜めに角度をつけて切り込まれます。カット部分は磨きすぎると摩耗しやすいです。 -
【チェイジング(chasing)】
エンボスと逆側から施される技法。銀器の表面から打ち付けて、文様の周りの表面を凹ませることで高さを出して模様を付けます。この方法を用いると銀器の裏側ににじむような跡が残ります。 -
【エンジンターン模様(engine turning)】
機械式の旋盤を使って、複数の平行線(通常は曲線状)のカットを入れる技法。18世紀に広まり、主に嗅ぎタバコ入れや気付け薬入れといった小型のアイテムを装飾するのに用いられました。 -
【エナメル彩(enameling)】
粉末の色ガラスをペースト状にして金属の素地に塗り、熱して固着させる技法で、筆で絵付けすることも、溝や仕切りを設けてそこに流しいれることもできます。19世紀に再流行しました。
チェックすべきポイント
まずはマークをチェック!
英国製の銀器には通常4つのマークが入っています。それらのマークは、それぞれ個別の目的で入れられたもので「どこで、だれが、いつ、そしてどんな水準の銀を使用してつくられたか」を示しています。ホールマークに関してはこちらのページに記載しています。
【左上】シールドにラッパのマークがお馴染みのJAMES DEAKIN&SONS社。
【右下】三角のフラッグが目印のWalker&Hall社によるもの。年代によってはフラッグのマークがないものもあります。
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リッドまたはカバー(蓋の部分)
その製品が2つ以上のパーツから出来ている場合(例えば蓋がある場合)、各パーツにホールマークが入っているかを確認すると、製品を特定するヒントが得られます。
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装飾技術と様式
用いられた装飾モチーフと、その構成を観察しましょう。写真の物は自然主義的なモチーフと生き生きとした曲線の入り混じった装飾。18世紀に流行したロココ様式に強い影響を受けながら、この後誕生するアールヌーヴォーの雰囲気も持ち合わせ魅力的なデザインです。
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ハンドル(把手)
ハンドルが付いている場合、その素材を確認しましょう。純銀かもしれないですし、木材、骨、象牙などを使用している場合もあります。把手の形や素材が製造年を見極める事の鍵になる事もあります。
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接続箇所と合わせ目
鋳造された複数のコンポーネント(構成部品)でできていることを示す、表面の合わせ目を確認してみて下さい。もし表面が摩耗され、銅の輝きが見える場合は純銀ではなくシルバープレート(銀メッキ)です。
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