ティーボウルと呼ばれる、ティーカップに取っ手が付く前に主流だった取っ手の無いティーカップです。白をベースの緑と赤のシンプルな植物模様やラインがハンドペイントで描かれたものです。
元々はソーサーとセットで使われていたものですが、マーケットで出会った時はボウルのみでした。
ヒビ・カケ等なく珍しくコンディション良好なものを1点入手しました。

18世紀よりティーボウルと呼ばれ、ヨーロッパ貴族のティー文化に取り入れられていました。古い物のため、バックスタンプはございません。
【アンティークティーボウルの歴史より】
王侯貴族の茶会で使用される中国製の小型の茶碗は、
我々が今日でも慣れ親しんでいる緑茶の湯呑みと同じくハンドル(取っ手)がなく、
英語で「ティーボウル(Tea-bowl)」と呼ばれていました。
しかし、ティーが次第に普及していくにつれて、
お茶会の席では優雅に"膝の上に受け皿にのせたティーボウルを持って上品な会話をしながら、
塊になっていて溶けにくい砂糖をスプーンでかき混ぜる必要が多くなってきた"ために、
1750年頃以降にはコーヒーカップと同様に、
ティーボウルにもハンドルをつけて売られるようになっていったようです。
これが現代に続く「ティーカップ/ソーサー」(碗皿の組)の誕生です。
「ヴィクトリア&アルバート博物館より」
しかし実際には1800年に入ってからも"ハンドル無しのティーボウル"は
頑固に多くの人達に使い続けられていました。
その理由としてはハンドル無しのティーボウルこそが
「フォーマルなアフターディナー・ティにふさわしいものである」との考えと、
そして、ホステス(茶席の女主人)としては
「客人に小振りのボウルでティーを何杯もお代わりして楽しんでもらいたい」との願いだったようです。