沖縄の人気のやちむん作家であり、読谷山焼北窯の師匠の一人でもある宮城正享さんが作陶した5.5寸皿です。リムに入った帯状のリズミカルな模様は飛び鉋と呼ばれるも装飾。ろくろを回しながらへらのような工具を押し当て模様をつけていく技法です。
特にこの蛇の目がないものは、数が少なく中々手に入れることのできないレアなものになります。厚く塗られた深みのある釉薬は独特な色合いで、土本来のざらっとした質感に大胆な模様が魅力的です。
登り窯で焼かれた北窯の器には「蛇の目」と呼ばれる特徴的な輪っかがお皿の中央部に付いているものがほとんどです。これは登り窯の中でお皿や碗を重ねて、効率よく焼くための伝統的な技法で、器どうしが重なる高台部分の釉薬が塗られていない箇所です。
5.5寸。直径約15.5cm。
以前は年に4回、現在は年2回しか焼かれない読谷村 北窯。
4人の親方が集まり、共同運営している窯は世界からも注目を集める読谷の人気窯元です。
沖縄県内で最大とされる登り窯「北窯」は、1992年に4人の陶芸家が立ち上げた13連房の大窯。登り窯とは、傾斜を利用し階段状に焼成室を築いた窯の一種で、最前部で火を焚き、下から順に焼き上げていきます。
この「北窯」には以前は年に4回火が入り、昼夜問わず職人たちが交代で見守る中、4日間火を焚き続けるそうです。力強い炎で焼かれた器は、土の質感や温もりを感じさせます。
北窯 宮城正享1950年 沖縄県那覇市に生まれる。 75年読谷山焼 山田真萬(やまだしんまん)氏に師事 90年與那原正守、松田米司、松田共司と共に「北窯」を開いて独立。親方の一人となる。2011年 読谷山焼北窯として倉敷民藝館賞を受賞する。
登窯で焼かれているため、電気窯などと比べムラやゆがみが出やすいのが特徴です。